アグリコン型イソフラボンによる更年期症状の緩和効果
ニチモウ株式会社(以下、ニチモウ)と、ニチモウバイオティックス株式会社(社長・戸崎康一、本社・東京都品川区。ニチモウ100%子会社)は、開発素材である発酵大豆胚芽抽出物(ダイゼインリッチなアグリコン型イソフラボン:商品名『AglyMax(R)』)が、女性の更年期におけるホットフラッシュ(ほてりやのぼせ)の頻度および度合の低減に効果的であることを米ハーバード大学との共同研究で確認しました。
記
ニチモウは、ハーバード大学医学部ベス・イスラエル・ディーコネス医療センター(以下、BIDMC)と女性の更年期症状に対する発酵大豆胚芽抽出物(ダイゼインリッチなアグリコン型イソフラボン:『AglyMax(R)』)の機能性について、2001年3月から当社の潘偉軍主任研究員(医学博士)を派遣して共同研究を行い、動物実験、パイロット試験を経て、2003年6月から共同臨床試験を行ってきました。
この臨床試験は、約4年間にわたる大規模な無作為二重盲検法擬似薬対照並行群間比較試験で行われ、その研究成果が本年1月9日(日本時間10日)にBIDMCから米国内でプレス発表が行われるとともに、研究論文が米国の権威ある更年期医学会医療雑誌「Menopause1月号」に全文掲載されました。
*『AglyMax(R)』:大豆胚芽を、ニチモウ独自の麹菌発酵技術によってアグリコン型イソフラボンにして抽出・濃縮した発酵大豆胚芽抽出物。吸収性の高いイソフラボンであること、ダイゼイン比率が70%と"ダイゼインリッチ"であることが大きな特徴。
製造特許:日本特許3014145号、US Patent 5885632、EP Patent 0682877
ハーバード大学のプレス発表の概要は次のとおりです。
【発表概要】
~ダイゼインリッチなアグリコン型イソフラボン(DRI)は
更年期女性のホットフラッシュを減らすのに効果的である~
(原題:Daidzein-rich isoflavone aglycones are effective in reducing hot flashes in menopausal women)
◎発表者
Hope A. Ricciotti, MD(ハーバード大医学部BIDMC産婦人科)
潘 偉軍, MD(ハーバード大医学部BIDMC外科。ニチモウ主任研究員)
George L. Blackburn, MD, PhD(ハーバード大学医学部BIDMC外科) 他
1.研究背景
ホットフラッシュは欧米諸国の更年期女性の約75%に生じる代表的な不定愁訴で、更年期の女性が治療を求める主な理由である。ホルモン療法はホットフラッシュ治療で最も良い結果をもたらすものの、長期間続けると冠動脈疾患や脳卒中などのリスクが高まる可能性がある。このため、ホルモン療法に代わる安全で効果的な療法が求められている。
ニチモウとBIDMC の共同研究では、ホットフラッシュにおけるダイゼインリッチなアグリコン型イソフラボンの効果について検証した。
2.研究方法
1日に4~14回のホットフラッシュを経験した38~60才の更年期女性235名を対象に、無作為二重盲検プラセボ対照試験を実施。1週間の予備期間後、235名の中から190名を無作為に抽出し、(1)プラセボ、(2)DRI・40mg/日、(1)DRI・60mg/日の3群に分け、12週間投与。
被験者の毎日のホットフラッシュ頻度についてベースラインから12週目までの平均変化と、生活の質(QOL)の変化および内因性ホルモンまたは甲状腺ホルモンについて調べた。
3.研究結果
・被験者147名(77%)が研究を終了した。
・12週目のホットフラッシュ頻度は、(1)プラセボ群の39%に対し、(2)DRI・40mg群で52%、(3)DRI・60mg群で51%、それぞれ低減した。
・(2)DRI・40mgと(3)DRI・60mgを合わせてDRI投与群とした場合、プラセボ投与群を比較すると、1日の平均ホットフラッシュ頻度が52%有意に低減した(p=0.048)。
・DRIサプリメント(40 or 60mg)には、内因性ホルモンまたは甲状腺ホルモンの有意な変化など副作用は見られなかった。
・更年期QOLについては、3群すべてで改善し統計的な著しい差異はなかったが、改善度合についてはプラセボ投与群と比べDRI投与群のほうが顕著であった。
4.結論および研究者のコメント
ホットフラッシュはエストロゲン(注:女性ホルモン)低下により起こる突然の激しいほてりが特徴で、更年期女性全体のおよそ75%が経験している。
大豆を多く摂取する国ではホットフラッシュが一般的に少ないという証拠を踏まえ、BIDMCではダイゼインリッチなアグリコン型イソフラボン(DRI)を試験することにした。イソフラボンはエストロゲン特性と抗エストロゲン特性の双方を発揮する植物性エストロゲン類のひとつである。
ハーバード大学医学部BIDMC外科准教授のジョージ・ブラックバーンMD, PhDは、今回の研究発表に際し、「ホルモン療法はホットフラッシュ治療で最も良い結果をもたらすが、長期間続けると冠動脈疾患や脳卒中など特定の医学症状リスクが高まる可能性がある。われわれはホルモン療法に代わる安全で効果的な療法を見つけようとしているが、われわれの研究でダイゼインリッチなアグリコン型イソフラボン(DRI)を摂取した患者のホットフラッシュ回数を低減させることがわかった」と述べた。一方、BIDMC産婦人科のホープ・リシオッティ,MDは、「この成分の化学構成は人間が持つエストロゲンと非常に似ており、内因性のホルモンレベルが下がった場合に調整メカニズムとして作用させることができる。われわれは、DRIサプリメントを摂取した女性の改善具合が、セロトニン阻害剤などの代替療法にあるマイナスの副作用を伴うことなく、これら代替療法と同等の改善具合を示すことを発見した。患者は生活の質(QOL)の改善を感じた。」と述べた。
以上
<参考>
◆ハーバード大学医学部ベス・イスラエル・ディーコネス医療センター(BIDMC)について
患者治療、教育、研究を行うハーバード大学医学部の付属医療機関で、米国内の独立病院の中で3番目に多くの資金が国立衛生研究所(NIH)から出ている。
BIDMCはジョスリン糖尿病センターとも臨床上の提携をしており、また、ダナ・ファーバー/ハーバード癌センターの研究パートナーでもある。
また、メジャーリーグのボストン・レッドソックスの公認病院にもなっている。
BIDMCのホームページ http://www.bidmc.harvard.edu
◆更年期医学会医療雑誌「Menopause」(メノポーズ)について
北米更年期医学会発行の医療雑誌で、医学誌の引用度を図るインパクトファクターは2005年度3.913で、年々増加している。産婦人科系の雑誌ではトップ3に入り、更年期関係では権威の雑誌である。
同医学会のホームページ http://www.menopause.org/journals/m/m_index.htm
参照 ニチモウ株式会社
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